「21世紀型ビジネスモデル」の構築(2002年1月号)

宮下酒造株式会社
社長 宮下 附一竜

 皆さま、新年明けまして、おめでとうございます。 どうぞ本年もよろしくお願い申し上げます。

 2002年の年頭にあたりまして、弊社では、「新しい世紀にふさわしいビジネスモデル」の構築を早急に図らなければならないと考えています。 すなわち、20世紀型の経営システムから21世紀型の経営システムに変換しなければならないということです。

 ところで、20世紀型と21世紀型の経営システムの違いはどのような点にあるのでしょうか。 最も大きな違いは、基本発想を企業中心主義から顧客中心主義に変えることにあると考えます。 すなわち、「お客様の求めているものは何か」、「お客様のためにできることは何か」ということを発想のベースに商品開発や販売方法を決めていくことだと思います。 このことは言うは易く、行うは難いことですが常に頭の中心において物事を考えていきたいと考えます。

 次には、小回りがきき、サービスのいきとどく小さな組織のほうが有利である時代であるということです。 しかし、小規模企業では人、物、金、情報などの経営資源が少ないための限界があるので、小規模企業が連携して、お互いをカバーし合う有機的同盟関係を築いていくことが大切になると考えます。

 さて、このような21世紀型の経営システムへ変換することの必要性はどこにあるのでしょうか。

 私たち酒類メーカーにとって自社の「ブランド」が時代をこえて継承され、その時代、その時代においてお客様からご愛顧され、信用される商品をつくり続けることが最高の目標です。 今日のように変化の激しい時代では、商品のライフサイクルが短くなり時代とともに消えていく商品が多くあります。「強いブランド力」とは、時代をこえてお客様に喜ばれる価値を提供し続ける力です。

 当社にとっての21世紀型のビジネスモデルとは、顧客中心主義の発想にたって、新しい時代にもお客様から愛される「ブランド」力のある商品を創造していくことだと考えます。 そのためには、小回りをきかせ、迅速に改善、革新を続ける努力が重要です。

 当社の社是「限りなき挑戦」のとおり、挑戦を続ける覚悟です。

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