酒税制度のいろいろな論点について(2005年3月号)

宮下酒造株式会社
社長 宮下附一竜

 昨年の12月の自民党税制改正大綱において、「酒税制度について平成18年度改正までに結論を得る」と書かれたことによって、酒税改正論議が早々と議論されています。 そこで、どのような論点が予想されるのか検討してみました。

<酒税制度について議論すべきいろいろな論点>

  1. 酒税は酒類間の税率において、公平、中立でなくてはならない。高級酒は高税率、大衆酒は低税率というのは今日通用しない。
  2. 酒税は重要な財政物質であるので、ビールの製造者のように負担能力のあるところから多く取ることはいたしかたない。
  3. 一方、小規模生産者に対しては、酒税の転嫁力が弱いことから政策的配慮がなされるべきである。特に消費税の導入によって、酒税との二重課税は高負担をもたらし、小規模業者の経営は大変厳しいものとなっている。
  4. 消費税の定着と将来の引き上げによって、税収の確保としての酒税の役割は今後低下していくべきである。
  5. 今後の酒税は税収の確保のみでなく、健康や飲酒運転の防止、そして未成年者の飲酒防止など、社会的要請にも応えていかなくてはならない。
  6. 酒税は、技術の進歩や酒類の多様化に対して、公正な競争を確保するものでなくてはならない。
  7. 酒税は、国内の農業や産業の振興にも配慮すべきである。
  8. 酒税制度は各国において違っているが、大きな流れとしてEUやWTOの進展によって国際的な調整が行われるようになっている。
  9. 現在の日本の酒税制度は、国際的視点から見て、問題点を多く含んでおり、早急に抜本的改革がなされるべきである。
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