朝日新聞

2016年10月6日木曜日 朝日新聞 花の香ふわり 県産ジン 岡山 宮下酒造が開発 米焼酎つけ蒸留 樽で熟成 琥珀色

2016年10月6日木曜日 朝日新聞 花の香ふわり 県産ジン 岡山 宮下酒造が開発 米焼酎つけ蒸留 樽で熟成 琥珀色

 ハイボール人気が定着し、活気づく国産ウイスキー業界。個性的な味や製法で勝負する小規模な「クラフト蒸留所」が全国に広まっている。岡山でも地ビール「独歩」で知られる「宮下酒造」(岡山市中区)がドイツ製の蒸留器を導入。ウイスキーと同じ蒸留器でジンを蒸留し、琥珀(こはく)色の県産ジンを誕生させた。

 発売された「クラフトジン岡山」は、新しい蒸留器を使ってこしらえた初めての商品だ。香りが強いのが特徴で、水やジュースで割っても花の香りがふわりと漂う。9月28日に全国の高島屋で先行販売が始まり、一般発売は今月下旬からの予定。200ミリリットル(税抜き2千円)、500ミリリットル(同5千円)の2種類を販売する。

 宮下酒造は昨年7月、「岡山産のウイスキーを造ろう」と専用の蒸留器を本社内の工場に設置し、火を入れた。それまでは焼酎用のステンレス製蒸留器を使っていたが、蒸留の過程で生成される硫化物などを吸着しやすい銅製に切り替えた。現在は、大麦で仕込んだウイスキーを熟成させ、2、3年後の販売を目指している。

 ジンはセイヨウネズ㋨実「ジュニパーベリー」やラベンダー、シナモンなどをアルコールにつけ込み、単式の蒸留器でゆっくり蒸留する。宮下酒造でも、レシピ通りアルコール度数の高い原液に香り付けの材料をつけたが、初めのうちは「味にとげがあり、ピリピリした」という。

 試行錯誤のなかで宮下附一竜社長が、自社製の米焼酎に材料をつけ込んで、蒸留することを提案。すると味がまろやかになり、香り高く飲みやすいジンが出来たという。それをオーク樽で数カ月間貯蔵し、木の風味と色を移して完成させた。

 林克彦営業課長は「和と洋の融合というのも面白かった。銅製の蒸留器は良い香りが残りやすく、爽やかな仕上がりになった」と胸を張る。

 宮下酒造によると、ジンの国内生産は珍しく、樽で熟成させたものは他に類を見ないという。林課長は「琥珀色は樽貯蔵の証し。トニックウォーターやソーダでシンプルに割って、家でも気軽に楽しんでほしい」と話した。

2015年7月30日木曜日 朝日新聞 「岡山ウイスキー」作り始動 宮下酒造で火入れ式

2015年7月30日木曜日 朝日新聞  「岡山ウイスキー」作り始動 宮下酒造で火入れ式

 岡山地ビール「独歩」で知られる宮下酒造(岡山市中区西川原)は、本格的な「地ウイスキー」作りを目指し、新たに独製の蒸留器を導入し、29日に火入れ式を開いた。3年後には岡山初の地ウイスキーが誕生するという。

 宮下酒造はこれまで、焼酎用ステンレス製蒸留器を代用してウイスキーを試作していた。今回導入したウイスキー用蒸留器は銅製。同社によると、銅は蒸留する時に出る硫化物などの臭いを吸着し、果物や花に似たいい香りを増やす作用がある。

 できた原酒はたるに入れ、3年以上熟成させる。ドイツから指導に来た技術者ボルカー・デイトリッヒさんは「岡山の高い湿度と気温は熟成を促進します。良いできが期待できると思います」と話す。

 原料の麦芽も、県産の大麦中心に仕込んだ。宮下附一竜(ぶいちろう)社長は「丸ごと岡山の地ウイスキーで、新しい蒸留酒文化をつくりたい」と意気込んでいる。

2010年09月21日火曜日 朝日新聞 「おお岡大」に芋焼酎 第4弾 飲み口すっきり

「おお岡大」に芋焼酎

 岡山大学の農場で収穫したサツマイモを使った本格焼酎「おお岡大」が完成し、同大学生協やコンビニエンスストアのセブンイレブン岡大前店、岡山市内の百貨店などで販売している。

 同大農学部による「おお岡大」ブランド製品は本醸造酒と純米吟醸酒、梅酒があり、焼酎で4品目。焼酎に適したサツマイモ「黄金千貫」を昨年から農場で栽培・収穫。この原料を使って宮下酒造(岡山市中区西川原)が造った。

 ラベルには同大の並木をイメージしたイチョウの葉のイラストがあしらわれていた。

 焼酎造りに使った黄金千貫を栽培した同大学院生、高越友紀さん(22)は「すっきりして飲みやすい。感無量です」と話していた。

 720ミリリットル、1575円。問い合わせは宮下酒造(086・272・5594)

2010年02月07日日曜日 朝日新聞 バレンタイン特集 甘い誘惑 誰に贈る? あっさり焼酎ベース

バレンタイン特集 甘い誘惑 誰に贈る?

 お酒が好きな人には、中区西川原、宮下酒造(086・272・5594)の「チョコレートリキュール 愛のキューピット」はいかが? 同社の米焼酎をベースにカカオエキスなどを加えてつくったリキュール(アルコール度数10%)。開発した杜氏小畑正弘さんは「チョコレートの風味を生かし、お酒として楽しめることに重点を置いた」もちろん甘い物が苦手な男性も飲めます」。

2009年05月27日水曜日 朝日新聞 オリジナルブランド第3弾 『おお岡大 梅酒』発売

オリジナルブランド第3弾 『おお岡大 梅酒』発売

 岡山大のオリジナルブランド第3弾として「おお岡大 梅酒」が26日、1千本の限定生産で発売された。同大生協やイベント、醸造を手掛ける宮下酒造(岡山市中区西川原、宮下附一竜社長)のホームページで購入できる。

 同大農学部付属山陽圏フィールド科学センター(同市北区津島中1丁目)で収穫されたウメの実約250キロを原料に使用。

 隠し味に同センターで収穫した米で造った純米吟醸酒「おお岡大」を加え、大学らしさを出した。

 白梅や紅梅などさまざまな種類のウメの実を使い、酸味が利き、梅酒らしい梅酒に仕上がった。キレがあり、すっきりとしたのどごしという。アルコール度数は10度。720ミリリットル入りで1260円。

 07年に宮下酒造から提案され、ウメ35キロを使い試験的に造り、昨年6月から本格的に製造を開始。売れ行きがよければ増産し、スーパーでの販売も検討している。

 神埼浩学部長は「これまでは日本酒だけだったが、今回の梅酒で多くの女子学生にものんでもらいたい」と話している。

2009年04月18日土曜日 朝日新聞 こよい 夢二の酒で酔って 岡山の宮下酒造 生誕125年で記念の大吟醸

こよい 夢二の酒で酔って 岡山の宮下酒造 生誕125年で記念の大吟醸

 岡山に生まれた画家・詩人の竹久夢二の生誕125周年を記念し、岡山市中区西川原の宮下酒造が「雄町米純米大吟醸 夢二宵待草」を発売した。使った米は岡山県産の雄町米、ラベルデザインは岡山市出身のデザイナー水戸岡鋭治さん=東京在住=と、地元生まれでそろえた逸品だ。

 夢二は1884(明治17)年、現在の瀬戸内市邑久町に生まれた。

 同酒造の宮下附一竜社長(62)と、夢二郷土美術館(岡山市中区浜2丁目)の学芸員が昨秋、「125周年に何かできるのでは」と話し合い、企画が生まれた。同酒造は以前から夢二の絵をラベルに使った純米吟醸酒「夢二旅情」を販売している。

 「夢二宵待草」のラベルには、夢二画集夏の巻のカバーに使われている絵を使用。同館の仲介で、九州新幹線「つばめ」や岡山電気軌道の社長「MOMO」の外装デザインなどを手がけた水戸岡さんにラベルデザインを依頼し、よく知られた宵待草の歌詞「まてど暮せど来ぬ人を……」を夢二の直筆であしらってもらった。

 また、酒は、精米歩合45%の雄町米100%で仕込み、大吟醸特有の香りのよさと、雄町米特有のこくが楽しめるという。

 300ミリリットル入り1050円。同館のミュージアムショップや県内の主要土産物店などで販売している。

2008年12月10日土曜日 朝日新聞 甘み抑え さわやか イチゴ風味ビール発売

甘み抑え さわやか イチゴ風味ビール発売

 宮下酒造(岡山市西川原)は、イチゴ風味の冬季限定醸造ビール「ストロベリー独歩」を発売した。

 高温発酵の際にイチゴの果汁を入れ、風味と香りを逃さないよう無ろ過で瓶詰めした。甘みを抑えたさわやかな味わい、という。

 「チョコレート独歩」、「ホワイトチョコレート独歩」に続く冬季限定シリーズの第三弾。同社は「洋食によく合い、クリスマスにぴったり。バレンタインデーの贈り物にも利用して」と話している。

 アルコール度5%。三百三十ミリリットル入りで四百七十二円。岡山県内の酒販店やスーパー、同社のホームページなどで一万本を販売する。

2008年11月15日土曜日 朝日新聞 原材料:ピオーネの皮 飲んで美白「美オーネ」発売

原材料:ピオーネの皮 飲んで美白「美オーネ」発売

 ピオーネの皮から抽出したポリフェノールを使った「飲む化粧品」を、岡山理科大と酒造会社、健康食品製造会社など9団体で作る研究会が開発した。「美オーネ」と命名し、県内での販売を始めた。研究会は、全国販売も視野に入れ、ピオーネの皮で新たな産業を生み出そうと意気込んでいる。

 商品にはポリフェノールの一種「レスベラトロール」を利用した。同成分は最近、肌のしみや心筋梗塞の予防のほか、美白、抗酸化作用などが注目されているという。

 開発の中心メンバーを務めた同大学の浜田博喜教授(生物化学)は、長年、同県の特産品を使った健康食品の開発を模索してきた。

 同県が収穫量日本一を誇るピオーネの皮に着目したのは4年ほど前。超高圧と酵素の働きで皮からレスベラトロールを抽出し、同大学の学生ら約60人に3週間飲んでもらったところ、ほとんどの人にコレステロールの低下や視力回復などが表れたという。

 そこで、昨年1月に結成した研究会で機能性食品としての製品化を検討。保湿効果を高めるコラーゲンを加えるなど、健康面だけでなく「美」に配慮した商品にしたという。原材料には、形が悪いなどの理由で出荷できずに捨てられていたピオーネや、缶詰やワインの製造過程で廃棄物として出た皮を利用する。

 50ミリリットル入り750円と高価だが、浜田教授は「2日に1本でよい。化粧品と考えれば高すぎることはない」と自信を持つ。今後1年間の販売目標は10万本。

2008年2月21日木曜日 朝日新聞 大学生らが清酒づくり 宮下酒造で仕込み見学

大学生らが清酒づくり 宮下酒造で仕込み見学

 岡山大の農地で収穫された米だけを使った清酒「おお岡大」の酒づくりに、同大学生17人が挑戦している。初日の15日には、醸造元の宮下酒造(岡山市西川原)で酒造りを見学した学生たちが、仕込みタンクをのぞき込んで香りを確かめたり、米を蒸す様子を撮影したりした。

 「おお岡大」の仕込みは今年で3回目。本醸造酒に加え、昨年からは純米吟醸酒も醸造し、学生や教員らの間で人気も定着してきた。醸造家庭を実地で学べると、農学部が体験学習「『おお岡大』を造ってみ隊」を企画し、学生を募った。

 初日は、宮下晃一工場長から製造工程の説明を受けたあと、工場内を見学。酒米を蒸し、もと仕込みのタンク、酒を搾る装置などを見学した。次回以降は、もとこうじづくりや本仕込みなどを体験する。20歳以上の学生は、しぼりたての新酒も試飲する。

 参加した農学部2回生の西堀未紗さん(20)は「いい思い出にもなるし、勉強にもなる。最後の試飲も楽しみです」と話していた。

2008年2月9日土曜日 朝日新聞 チョコレートビール 製法を一新 飲みやすく 宮下酒造、全国販売も

チョコレートビール 製法を一新 飲みやすく 宮下酒造、全国販売も

 バレンタインデーに合わせて宮下酒造(岡山市西川原)が限定販売しているチョコレート風味の発泡酒「チョコレート独歩」が、発売3年目の今年は製法を一新。飲みやすさを追求し、全国販売にも乗り出した。

 「チョコレート独歩」は、酒類販売が伸び悩む2月に売れる商品をと、バレンタインデーのプレゼント用を見込んで06年1月に3000本を岡山地区で限定発売した。

 中身は、同社の黒ビールを大幅に改良。液状チョコレートを加えてほのかな甘みをつけ、最終段階の濾過(ろか)時にカカオから抽出した液体を加えてチョコレートの香りを深めている。

 今年からは酵母の発酵方法を変え、より飲みやすい味に衣替え。瓶を開けると甘い香りが漂い、口に含むと苦みの中にチョコレートをかすかに感じられる。同社の宮下晃一工場長は「ほぼ完成形といえるものになった。鍋にもケーキにも合う」と胸を張っている。5万本を全国へ出荷した。

 また、昨年12月には、客からの要望でホワイトチョコレートタイプの発売も開始。ミルクや油脂がビールに溶け込まずに苦労したが、遠心分離機を使って商品化した。限定販売した6000本はほぼ完売の人気という。

 全国では現在、6社ほどがチョコレートビールを醸造し、大手ビール会社も同社のビールを取り寄せて研究を始めているという。宮下工場長は「チョコレートビール日本一を目指して、来年はまた一ひねり工夫をこらしたい」と話している。

 「チョコレート独歩」は330ミリリットル入り420円。「ホワイトチョコレート独歩」は同473円。問い合わせは同社(086・272・5594)へ。