山陽新聞

2016年9月7日金曜日 山陽新聞 香味植物配合 クラフトジン 28日から先行販売

2016年9月7日金曜日 山陽新聞 香味植物配合 クラフトジン 28日から先行販売

宮下酒造(岡山市中区西川原)は、自社の米焼酎をベースに複数の香味植物を配合した蒸留酒「クラフトジン岡山」を造った。ウイスキーの生産に向けて昨年導入したドイツ製の銅製蒸留器による初の製品。28日から全国の高島屋で先行販売する。

旭川の伏流水を使った米焼酎に、針葉樹の果実を乾燥させたジュニパーベリーや香草のコリアンダー(パクチー)など約10種類のスパイスを独自にブレンド。蒸留した後、焼酎を貯蔵していたカシのたるで熟成させた。

たるに貯蔵したことで酒の色がほんのりと黄みがかり、奥深い味わいになったのが特長。ジンを蒸留後にそのまま瓶詰めせず、たるに移して熟成させるのは国内では珍しいという。

アルコール度50%。200ミリリットル2千円、500ミリリットル5千円(いずれも税別)。一般発売は10月下旬を予定している。

宮下酒造によると、小規模なビール醸造所で製造されるクラフトビールの人気とともに、国内外でクラフトジンを造る醸造所が増えてきている。宮下晃一専務は「コメの味わいが感じられる日本らしいジンができた。そのままロックで飲むのがお薦め」としている。

同社は日本酒や焼酎、地ビールの製造を手掛けており、2011年にウイスキー造りに着手した。地方の中小メーカーによるウイスキーの生産は珍しく、18年をめどに商品化する予定。

2016年6月3日金曜日 山陽新聞 国際品評会・日本酒部門(古酒) 宮下酒造が最高賞 すっきりとした後味評価

2016年6月3日金曜日 山陽新聞 国際品評会・日本酒部門(古酒) 宮下酒造が最高賞 すっきりとした後味評価

 宮下酒造(岡山市中区西川原)の古酒「永久の輝(かがやき)」が、世界最大規模のワイン品評会「インターナショナル・ワイン・チャレンジ2016」の日本酒部門(古酒)で、最高賞の「トロフィー」に輝いた。同社の受賞は初めて。

 品評会は1984年創設。日本食人気を受けて2007年から始まった同部門は今年、4年ぶりに日本(5月16~18日、神戸市)で審査があり、古酒、純米、大吟醸など9分野に国内外の1282銘柄(古酒は61銘柄)が出品された。

 永久の輝は、岡山県産米を使った1993年醸造の原酒をろ過せずに生詰め。ウイスキーのような熟成香とすっきりとした後味が評価された。7月にはロンドンでトロフィー9銘柄から「チャンピオンSAKE」1銘柄を決める。

 同社は永久の輝を商品化し、2千本限定で販売している。価格は5400円(720ミリリットル)。「極聖(きわみひじり)特別純米山田錦」も純米酒で最高賞に次ぐ金賞を受賞しており、宮下晃一専務は「世界的な賞に選ばれ光栄。受賞を機に国内外に売り込みたい」と話している。

2015年10月21日水曜日 山陽新聞 雄町の純米大吟醸 宮下酒造 来月2日から限定発売

2015年10月21日水曜日 山陽新聞 雄町の純米大吟醸 宮下酒造 来月2日から限定発売

 宮下酒造(岡山市中区西川原)は、創業100年の記念商品として、味を良くするため極限まで精米した酒米・雄町を使った純米大吟醸酒を11月2日から限定発売する。玄米を削って残った白米の割合を示す精米歩合は20%で、雄町としては全国でも例がない精白度の高さという。雑味のない米の芯のみで仕込んだ最上級酒として売り込む。

 酒造りでは原料となる酒米を削ることで、雑味のもととなるタンパク質や脂質を取り除く。高級酒では精米歩合10~20%台のものもあるが、雄町は中心部の心白が割れやすいため、40%程度が限度とされてきた。

 今回、精白技術の向上に取り組む米穀卸・片山産業(同桑野)が試験的に精米した20%の雄町を使った。今年2月、115キロを仕込み約180リットルを搾った。商品名は「極聖(きわみひじり) 純米大吟醸 天下至聖(てんかのしせい)」。720ミリリットル(1万6200円)170本、1・8リットル(3万2400円)30本の数量限定で、岡山県内の酒販店などで販売する。

 宮下酒造は、1915年10月創業。宮下附一竜社長は「雄町の深いこくを残しつつ、すっきりした飲み口に仕上がった。最高にぜいたくな酒を味わい、日本酒の魅力を感じてほしい」と話している。

2015年7月30日木曜日 山陽新聞 宮下酒造、ウイスキーを本格製造 専用のドイツ製蒸留器導入

2015年7月30日木曜日 山陽新聞 宮下酒造、ウイスキーを本格製造 専用のドイツ製蒸留器導入

 宮下酒造(岡山市中区西川原)はウイスキー専用のドイツ製蒸留器(ポットスチル)を導入し、29日から運転を始めた。これまでは焼酎用の蒸留器を使って仕込んできたが、年2千リットル以上を目標に本格的に製造する。

 蒸留器は、発酵させた麦汁を投入してアルコールを蒸発させる煮沸釜と、アルコールを冷やして液体にした原液を集めるタンクで構成。麦汁1500リットルを一度に仕込むことができる。高さ4メートル、幅4メートル、奥行き3メートル。投資額は3千万円。

 この日は宮下附一竜社長ら関係者約20人が出席して火入れを行い、蒸留作業に入った。蒸留した原液は樽(たる)に詰めて熟成させる。

 国産ウイスキーはサントリーやニッカウヰスキーといった大手が大半。地方の中小メーカーはほとんど参入しておらず、岡山県内では宮下酒造が唯一とされる。同社は2012年から焼酎用設備で試験的に仕込んでおり、創業100周年を迎えた今年から本格製造に乗り出す。

 試験製造分の販売時期は未定だが、今回仕込んだウイスキーは3年後をめどに販売する予定。宮下社長は「日本酒と地ビール醸造で培った技術を生かしながら、日本人の好みに合った繊細な味覚のウイスキーを造りたい」と話している。

2015年3月20日金曜日 山陽新聞 美咲の3セクが米焼酎22日発売 合併10周年を記念

2015年3月20日金曜日 山陽新聞 美咲の3セクが米焼酎22日発売 合併10周年を記念

 岡山県美咲町の第三セクター・美咲物産(同町原田)は、町の合併10周年を記念した米焼酎を商品化し“誕生日”の22日に発売する。従来の商品「本格焼酎 美咲」のラベルを新調、容量を300ミリリットルから家庭用サイズの720ミリリットルに増やしている。

 農林水産省の「日本の棚田百選」の一つ、同町大垪和西地区で収穫した棚田米と町産ソバを使い、宮下酒造(岡山市中区西川原)が醸造。ソバの風味が豊かで、まろやかな味に仕上げているという。アルコール度は25%。ラベルには「岡山美咲町誕生一〇周年記念焼酎」と記している。

 美咲物産は2013年に「本格焼酎 美咲」を発売。土産用として利用が多いが、容量は300ミリリットルの1種類しかなく、家庭でも楽しめるサイズの要望が寄せられていたという。合併10周年の記念商品を検討していたこともあり、新たに仕込んだ約1千本を新商品として仕立て直した。

 同社は「ソバ風味の米焼酎は珍しく味わい深い。美咲の知名度アップにも貢献したい」としている。720ミリリットルは1200円(税別)、300ミリリットルは800円(同)。美咲物産のほか、岡山市の酒販店などで扱っている。

 美咲町は05年3月22日、中央、旭、柵原の旧3町が対等合併して誕生した。

2015年2月7日土曜日 山陽新聞 宮下酒造、酒米「雄町」で生原酒 新鮮な香り、100本限定で発売

2015年2月7日土曜日 山陽新聞 宮下酒造、酒米「雄町」で生原酒 新鮮な香り、100本限定で発売

 宮下酒造(岡山市中区西川原)は6日、酒米「雄町」で仕込んだ特別純米の生原酒を100本限定で発売した。

 生原酒は加熱や加水処理をしていない酒で、新鮮な香りと濃厚な味わいが特長。商品名は「極聖 特別純米 高島雄町」で、岡山市中区高島地区で収穫された雄町米を使った。精米歩合は60%。アルコール度は17~18%。500ミリリットル入り1350円。

 岡山県内の百貨店や、イオンモール岡山(同市北区下石井)内の直営店などで扱う。宮下酒造によると、生原酒は品質管理が難しいため、蔵元での直売が多く、店頭に並ぶのは少ないという。

 宮下晃一専務は「日本酒本来の味を楽しんでほしい。顧客の反応をみながら増産も検討する」と話している。

 雄町米は「山田錦」や「五百万石」といった代表的な酒米のルーツ。江戸時代に、高島地区で見つかり栽培が始まったとされる。

2014年4月24日木曜日 山陽新聞 日本酒にESDラベル 1000本限定、来月発売 世界会議盛り上げ

2014年4月24日木曜日 山陽新聞 日本酒にESDラベル 1000本限定、来月発売 世界会議盛り上げ

 今秋に岡山市内で開かれる「ESD(持続可能な開発のための教育)に関するユネスコ世界会議」のロゴマークをラベルに用いた日本酒が、5月1日から1000本限定で販売される。発売を前に23日、製造する宮下酒造(中区西川原)の宮下附一竜社長が大森雅夫市長を訪ねてPRした。

 日本酒は地元の雄町米を使い、ESDのために造った「極聖 純米吟醸 雄町米」(720ミリリットル)。日本酒の人気が高い海外に向けて同会議をPRするため、岡山弁のESDキャッチフレーズ「ええ地球にしょーでぇー」の英語訳をラベルに印刷している。希望小売価格は1728円。市内の百貨店や岡山空港、JR岡山駅などで扱う。

 市役所を訪れた宮下社長は「世界会議を盛り上げるために一役買いたい」と話し、市長は「ESDの知名度が低いとの危惧もあり、皆さんの動きはありがたい。ぜひ成功させたい」と応じた。

 ESDのロゴマーク付き商品は市の承認があれば販売でき、民間の活用は初めて。市によると、市内の和菓子メーカーもきび団子での使用を検討している。

2013年1月19日土曜日 山陽新聞 棚田米やソバ使った焼酎販売 岡山・美咲の三セク

棚田米やソバ使った焼酎販売 岡山・美咲の三セク

 岡山県美崎町の第三セクター・美咲物産(同町原田)は、町内の棚田でとれた米やソバを使った米焼酎「本格焼酎 美咲」の販売を始めた。

 農林水産省「日本棚田百選」の一つ、同町大垪和西地区などで収穫した棚田米やソバを原料に、委託を受けた宮下酒造(岡山市中区西川原)が醸造。昨年6月に仕込み、まろやかでソバの風味豊かな味わいに仕上げた。アルコール度は25%。

 稲穂とソバの実をイメージしたラベルは町職員がデザインした。300ミリリットル入りで840円。2千本造り、美咲物産のほか、同町内や岡山市の酒販店で扱っている。美咲物産は「そば風味の米焼酎は県内では珍しい」としている。

2013年1月4日金曜日 山陽新聞 岡山産ウイスキー熟成中 宮下酒造が県内初挑戦 既存設備と経験活用 15年に発売計画

岡山産ウイスキー熟成中 宮下酒造が県内初挑戦 既存設備と経験活用 15年に発売計画

 岡山県内の酒造業界では初の試みとして、宮下酒造(岡山市中区西川原)がウイスキーの製造に取り組んでいる。日本酒や焼酎、地ビールを手掛けているが「岡山の新たな銘酒を」と新分野に挑戦。2012年夏から段階的に仕込み、熟成させている。15年に”地ウイスキー”として発売する計画だ。

 同社によると、国産ウイスキーの大半は、サントリー(大阪市)やニッカウヰスキー(東京)など大手の製品。地方の中小メーカーが造るのは全国的にも珍しいという。

 15年の創業100周年記念事業として企画。11年12月にプロジェクトを立ち上げ、12年6月から作業を本格的にスタートさせた。

 ウイスキーは、数種類の大麦麦芽(モルト)と温水を混ぜて造る麦汁に酵母を加えて発酵。蒸留器で熱して気化したアルコールを冷却する。これが原酒となり、時間をかけて熟成させる。

 麦芽は岡山県産とドイツ産をブレンド。水は旭川の伏流水を自社敷地内の井戸からくみ上げる。麦芽の配合割合や酵母の種類、発酵、蒸留時の温度などを少しずつ変えながら10回に分けて仕込み、原酒約1千リットルを抽出。木の樽に詰めて熟成させている。蒸留したての原酒は無色透明だが、貯蔵中に樽の木の成分が溶け出すことで次第に琥珀色になり、香りやまろやかさが加わるという。

 宮下酒造は日本酒やビールのほか、ウイスキーと同じ蒸留酒の焼酎も製造。原料と、麦汁造りまでの工程がビールと共通のため職人の経験が生かせる上、ビール用の仕込み窯、焼酎用蒸留器などの設備も利用できる。

 宮下晃一専務は「くせがなく飲みやすいウイスキーが目標。スコッチ、アイリッシュといった世界の名品とは一味違う岡山ならではのウイスキーを生み出したい」と話している。

2011年7月22日金曜日 山陽新聞 原料米に“元祖雄町” 宮下酒造 特別純米酒発売へ

原料米に“元祖雄町” 宮下酒造 特別純米酒発売へ

 宮下酒造(岡山市中区西川原)は8月1日、原料の米に“元祖雄町”を使った特別純米酒を発売する。

 雄町は1859(安政6)年、現在の岡山市中区雄町(高島地区)の篤農家が偶然見つけ、栽培したのが始まりとされる。山田錦など主要酒米のルーツ。今では岡山県内産が全国の生産量の約9割を占め、希少性の高さから幻の米といわれる。

 同社は「製品を通して雄町の歴史を伝えたい」と商品化を企画。高島地区で収穫された雄町を用い、上品ですっきりとした味わいに仕上げた。雑味をもたらす玄米の表層部を40%削り取ることで、より芳醇な香りが楽しめるという。

 商品名は「極聖 特別純米 高島雄町」。アルコール度は15%以上16%未満。720ミリリットル入りで1680円。県内の百貨店や土産物店で扱う。