新年のご挨拶(2013年1月号)

頌 春
平成二十五癸巳(みずのとみ)歳の新春を迎え、謹んで皆さまのご清福を衷心よりお祈り申し上げます。

宮下酒造株式会社
社長 宮下附一竜

 2013年は癸巳(みずのとみ)歳です。「巳」は午前十時頃、方角は南南東を指し、干支の動物では「ヘビ」があてられます。

 ところで、昨年は古事記撰進1300年の記念の年でしたが、この古事記の崇神天皇について書かれた中に、奈良県桜井市にある日本最古の神社である大神神社(おおみわ)が出てきます。私たち酒造家は、崇神天皇が酒造りを命じ、三輪山の神々に奉納したという伝承があるため、三輪山の神様を「お酒の神・醸造の神」として信仰しています。

 そして、この大神神社のご祭神は大物主大神ですが、古事記の説話ではヘビに姿を変えて現れます。従って、大神神社では神の化身として「巳」を敬う信仰が今日まで続いています。蛇は脱皮を繰り返すことで蘇りを果たし、冬は地中にこもり、春になると大地の力を帯びて現れるその姿に生命力を感じさせます。

 さて、本年の我社ですが、厳しい外部環境の中にあって、勝ち残っていくために懸命の努力を続けていきたいと決意しています。蛇のように脱皮を繰り返し、時代の変化に迅速に対応していきたいと考えています。皆さまの絶大なるご支援を本年もよろしくお願い申し上げます。

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