飲酒運転

岡山小売酒販組合 総会挨拶(2007年5月号)

宮下酒造株式会社
社長 宮下附一竜

 本日は、第54回岡山小売酒販組合の通常総会並びに第29回岡山酒販協同組合の通常総会が、このように盛大に開催されましたことをまずもってお慶び申し上げます。

 また、常日頃は私どもに対しまして、格別のお引き立てにあずかり、高い席からでございますが、厚くお礼申し上げます。

 さて、最近の酒類業界の現況を見てみますと、少子高齢化社会の到来とともに酒類の消費金額は大きく減少しています。1996年度の酒類全体の消費金額は6兆5千億円でしたが、10年後の2005年度においては5兆1千億円となり、約1兆4千億円の減少で、22%のダウンとなっています。特に、清酒では10年前の消費金額は1兆2千億円でしたが、2005年の消費金額は6千億円となんと半減しています。これは、2005年度の数字であり、2006年度は飲酒運転の問題が大きく取り上げられたせいもありまだまだ減少しているのではないかと考えられます。このように酒類の消費が大幅に減少する中において、小売酒販免許の規制緩和が行われ、新規参入者の増加により、販売競争がますます激しくなり、酒類業界は生販業者ともに、生きるか、死ぬかの大競争時代を迎えていると思います。

 このような大変厳しい環境変化の中において、「いかに生き延びていくかということ」が、今私たち酒類業者に課せられた最大の課題になっていると思います。最近、資本力のある大手ビールメーカーは、M&A、すなわち企業の合併・買収によってこの危機を乗り切ろうと試みていますが、資本力のない中小零細企業はどのようにして生き延びていけばよいのでしょうか。それぞれの置かれた立場の違う私たちにおいては、それぞれが自分の生き残り策を模索し、知恵を出して行かなければならない、まさに、正念場を迎えていると思います。

 ところで、話は変わりますが、このような状況の中においての「酒造組合」や「酒販組合」などの組合運営は、まことに難しいものとなっていると思われます。いまや、組合の存在意義とそのあり方が大きく問われていると思います。

 組合員のために、組合はどのようなことが出来るのか真剣に議論すべき時が来ているように思います。

 その点、岡山小売酒販組合におかれましては、このような問題意識を早くからお持ちになり、いろいろな活動に取り組まれておられることに対しまして心より敬服いたしております。今後とも多田理事長のもと一致団結されまして、酒類業界をリードしていただきますことをお願い申しあげます。

 最後になりましたが、本日ご参加された皆様のご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げ、はなはだ簡単措辞で恐縮いたしますが、御祝のご挨拶とさせていただきます。

新年のご挨拶(2004年1月号)

2004年、新年明けましておめでとうございます。
謹んで皆様に新春のご祝詞を申し上げます。
どうぞ本年もよろしくお願い申し上げます。

宮下酒造株式会社
社長 宮下附一竜

 さて、21世紀になりましてもいっこうに日本経済に明るさの見えない今日この頃ですが、私たちの酒類業界におきましても、昨年は大変厳しい一年となりました。特に9月には規制緩和ということで小売酒販免許の自由化が実施され、昨年末より順次許可されており、新規店の参入がだんだんと増えてきています。本年の春までにはほとんど全部の店に免許が下りることになりますから、まさに「大競争時代」を迎えることになると思います。

 一方、酒の社会的規制は強化されています。飲酒運転に対する罰則の強化は、酒の消費量に大きなマイナスの影響を与えていると考えられます。これからは、量的拡大を見込む時代ではなく、酒の楽しみ方も大きく変化して行くことが予想されます。

 このように私たちの置かれた環境は激変していますが、このような変化の時代においては、「どれだけ多くの量をつくるか」ということよりも「どのようなものをつくるか」という「質の問題」が問われていると考えます。

 「何をつくるか」という問いかけに、絶えず新しい解答を用意することことが、企業に求められていると思うのです。すなわち、顧客のニーズにあった、新しい需要を創造することが会社存続のもっとも大切な要件となっているのです。「何をつくるか」ということになれば、「知識」とか「知恵」といった頭脳的働きが一層脚光をあびることになります。

 そこで、本年2004年の目標としては、『大いに勉強して「知識」を広め、新しい「知恵」を出し、その実現を図るために、実践、実行していくこと』に決めたいと思います。

 ご支援いただいております皆様にも是非ともよいアイデアや提案がございましたら、お教えいただきたいと思いますのでよろしくお願い申し上げます。

 それでは、はなはだ簡単で申し訳ありませんが、これをもちまして年頭のご挨拶とさせていただきます。